速水守久 子孫に伝わる物語

この記録は学術発表ではありません。大正6年生まれのお祖母さんが、思い出してはとつとつと語ってくれた家伝、400年前、別れ別れになった子孫たちが再会し、ようやくつながってきた歴史、あの日、大坂夏の陣の物語です。

お市様のお共役

1570年(元亀元年庚午)、近江速水郷で、速水兵右衛門時久と蓮与の長男として『速水勝太(守久幼名)』誕生。妹は美帆。

1573年(天正元年癸酉)浅井家の小谷城落城により、守久父『速水時久』は、羽柴秀吉に仕えることになった。

1579年(天正7年己卯)織田信長安土城が完成する。この年9歳となっていた勝太は『守久』と名を改めることになった。伊勢上野城に身を寄せていたお市と浅井家三姉妹が、兄信長の招きで安土城に迎えられ、信長甥にあたる速水守久が、豊臣秀吉近習役として、お市様のお共役を命ぜられたからである。守久は、茶々、初、江と共に、安土城お市に教育され、成長していったのである。